【クアラルンプールとソクラテス】
「もう海外は日本のことなんて相手にしてないよ」
僕は今マレーシアのクアラルンプールに来ている。
林立する高層ビル群。
便利でキレイな公共交通機関。
大規模なショッピングモール。
そして人は当たり前のように英語を話す。
今までアジアは台湾・インド・タイ・ラオス・ベトナム・カンボジアと見てきた。
まだまだ未発展の国や地域もあるけれど(そもそもそれが良いか悪いかは微妙な問題であり、未発展の方が旅にとっては面白かったりするのだけれど)、各国は確実に力をつけている。
中国の都会部やシンガポールはもちろんのこと、他の国も確実に力をつけているのだろう。
そしてそんな現状が、多くの知識人・エリート・ビジネスマン・旅人などをして、こう思わせる。
「もう海外は日本のことなんて相手にしてないよ」
この言葉の裏には
「いつまで日本が世界第2位の経済大国であった時代を引きずっているのか。」
「もっと日本もハングリーにならなきゃいけない」
という意味合いが含まれていると思う。
だけど僕はその言葉の裏に、時々少しだけ他人行儀の感を感じる。
企業体制が。大学の環境が。政府が。日本は遅れている。
確かに足りないものは多いかもしれない。
でも嘆くだけでは進めない。
「世界を動かそうと思ったら、まず自分自身を動かせ」とはソクラテスの言葉らしい。
「もう海外は日本のことなんて相手にしてないよ」
僕は無力だ。でも僕ら自身も日本の一部であることからは逃れられないのだから、強がりでもこの言葉の後にせめてこう宣言しなければいけないのではないだろうか。
「でも僕らがなんとかする」