「帰るべき場所」マラッカ|東南アジア旅エッセイ⑮
自転車を漕いだ。重く熱を持った身体。額にうっすら浮かぶ汗。橋を渡ってモスクのある島へ。爽やかな夕方の風が、身体の芯を撫でた。頭の中でゆずの「夏色」が響く。僕は自転車をもっと漕ぐ。身体が少し軽く、楽になった気がした。
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「人生初ヒッチハイクの挑戦」キャメロン・ハイランド|東南アジア旅エッセイ⑬
一人の女性が近づいて来て、「もし泊まるところがなければ私の部屋ベッド二つあるから泊まってもいいわよ?」と声をかけてくれた。
僕は丁重に断ったが、その申し出の暖かさに心を打たれた。どこの誰かもわからない異国の男を自分の部屋に泊めようとする女性がこの世の一体どこにいるのだろうか。
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