悩める東大生の休学タビ記録

人生に悩んだ東大生が、休学して世界中を旅した経験を綴ったエッセイブログ。

「革命と螺旋階段」トリニダー|中南米旅エッセイ11

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塔に登って、楕円形に切り取られた壁から、遠くまで続くカリブ海を眺めた。イヤホンをつけて「彼こそが海賊」を流した。初めて海外に行ったのは、小学6年生でハワイだった。海の見えるホテルのバルコニーから、iPodを片手に「彼こそが海賊」を聞いた。当時12歳。今や23歳だった。自分自身、前に進んでいるのか、後ろに進んでいるのかわからなかった。

 

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「正しさが暴走するとき」ハバナ②|中南米旅エッセイ10

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正しさが暴走するとき。正義の名の下に、あるいは経済的合理性の名の下に、本当は正しくない何かが正しいとされてしまったとき。社会は真っ暗闇の中、ブレーキをかけることなど考えもせず、崖へと続く道をアクセル全開で進む。次に社会が止まるのは、崖から落ちたあとだ。

 

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眼球使用困難症

最近落ち込んだことがありました。

12月です。友人から電話がかかってきました。

結論から言うと、その友人は難病になり目が見えなくなったとのことです。

 

あとで補足説明しますが、全然読まなくても構いません。

一つ言いたいことは、「彼が病気に関してYoutubeを始めたので、よかったら見てください」です。

 

youtu.be

 

 

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「ヘミングウェイの憂鬱」ハバナ|中南米旅エッセイ9

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老人と海」は僕はあまり好きではない。それよりも「日はまた昇る」とか「武器よさらば」の方が好きだ。でもそこには共通した感覚がある。僕がヘミングウェイの小説を読んだ後に想うのは、いつも一人の人間の後ろ姿だ。

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