悩める東大生の休学タビ記録

人生に悩んだ東大生が、休学して世界中を旅した経験を綴ったエッセイブログ。

番外編エッセイ「夏空の記憶」

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夏という季節はどうしてこうも郷愁を誘うのだろう。

 

どこまでも続くような空の向こう側から

夏休みの記憶が降ってくるからだろうか。

 

 

あ、そうか。去年の夏は日本にいなかったのか。

 

空を見上げる。

同じように空を見上げていた去年の自分が蘇る。

 

僕はカンボジアにいたのだった。

そして数日後に始まるダイビング講習を受けに、タイに向かっていたのだった。

 

毎日が楽しくて、毎日に期待していた自分。

満面の笑みをした僕自身の姿が、まぶたの奥に思い出される。

 

今の僕はどんな顔をしているのだろうか。

あの夏と同じくらい、今年の夏も笑えるだろうか。

 

 

 

「たなばた」オアハカ|中南米旅エッセイ④

 

旅で得られるもっとも重要な経験の一つは、こういう何気ないものなのかもしれない。

年齢も性別も職業も関係なかった。そういう経験が一つの心象風景となって、今の僕をしっかりと裏から支えてくれている。その風景は僕にとって、好きな時に帰れる場所なのだ。そんな気がする。

 

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「世界は僕を泣かせた」サンミゲル・デ・アジェンデ|中南米旅エッセイ③

それは、突然のことだった。

身体中に鳥肌が走った。

僕は気がつくと、涙を流していた。

  

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サンミゲル・デ・アジェンデ

 

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「生活の灯火」グアナファト|中南米旅エッセイ②

そのモザイクタイルの一つ一つに人々の生活が宿っているのだと思うと、人々の営みの歴史の重さがひしひしと伝わってくるようだった。

 

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